おつきさま
いい縮み杢の出ているモミジがあったので、ブローチをつくりようります。
右のきいろいのはマユミ、スプーンはカエデ。ぜんぶ手でやるので、ちょっとずつあつみもかたちもちがいます。
カーディガンにつけたい。
おつきさまができるまで。
まず、だいたいのあつみの板にして、だいたいのところにえんぴつでしるしをつけます。
えんぴつのしるしにそって削ります
さらに削って角度を調節していきます。
できあがり。
ちょうどいい厚みの板をもらったので、紙ヤスリも使わずぜんぶ手作業で削って、ひとつ3〜4時間かかります。板がないときは丸太を割るところからはじめるので、もっとかかります。 こんなとき電動の糸のこがあればはやくたくさん作れるのに…とは思うのだけど、内側のアールに均等につけた丸刀の跡がいいなとおもっています。 木彫をはじめたころ、お金がなかったのはもちろんなのですが。 東北の震災をきっかけに、全国的に節電が叫ばれていて。原発がこわくなって、できるだけ電気を使わないようにとこころがけたのが、今のスタイルになりました。 才能がほとばしって困るようなタイプではないので、手を動かしながら作りたいもの、作れそうなものを思いついては作ってみて。できたり失敗したり、技術が上がってから再度挑戦したらできたり。その繰り返しでやっとここまできました。 作りたいイメージにやっとからだがついてきた感じがします。まだまだだけど。だんだん失敗が少なくなってきた感じがします。 刃物の扱いや力のいれ方など、からだのつかいかたをある程度覚えてきたのか、以前は力を入れすぎてしょっちゅう傷めていた手首もラクに使えるようになり、手指の皮も厚くなってきました。 焦らずすこしずつ、木が嫌がらないほうに削れば力を入れずラクに削れることも、削っているうちに木が教えてくれました。 お金も道具もないならないなりに工夫するとおもしろいものができあがりますね。 小刀1本とすこしの彫刻刀でここまで来ましたが、せっかくだからもっといろいろな道具を試してみたいなあとおもいます。 機械を入れるにしても、せっかくつかめてきた手の感覚を大切にしたいので、あくまで補助だなあ。